上生菓子『亀』

上生菓子亀の完成 上生菓子

こんにちは、和菓子屋のあんまです。
今回は上生菓子で『亀(かめ)』を作りました。
梅についても調べましたので一緒にご紹介します。

上生菓子

上生菓子とは、日本の伝統的な和菓子の一種で、特に茶道や季節の行事で用いられる主菓子です。
上生菓子では季節の花や生き物、風景などから季節を感じられる言葉を具現化して表現したものまで色んな種類の材質(お菓子の種類)で表現します。
その種類一つにとっても様々な表現方法があり、職人の技術がお菓子として見られるのも特徴です。

今回の『亀(かめ)』は練切(ねりきり)製です。

練切(ねりきり)

練切とは、あんこに餅や芋などのつなぎを加えて、のびやすく作業性のあるあんこで、繊細でデザイン性のあるお菓子が作れることが特徴です。
白餡に餅や芋を加えるとより白くあがり、着色をして様々な色を表現できることも特徴です。

練切の作り方はこちらから。


亀について調べてみた!

「万年」を生きる福の使い:亀の不思議と魅力

まずは、なぜ和菓子の世界で「亀」がこれほどまでに大切にされてきたのか、その理由を紐解いてみましょう。

1. 驚異の寿命と生命力

亀は、実際に爬虫類の中でも非常に寿命が長い動物です。
種類によっては100年以上、中にはそれ以上生きるものもいます。 厳しい環境下でもじっと耐え、ゆっくりと、しかし確実に歩みを進めるその姿は、日本人の目には「不老長寿」や「忍耐強さ」の象徴として映りました。

2. 四神としての「玄武」

古代中国の神話では、北方を司る神獣「玄武(げんぶ)」として、亀と蛇が合体した姿が描かれています。日本でも平安京の守護神の一つとして数えられるなど、単なる動物を超えた「神聖な守り神」としての側面も持っています。

3. 瑞祥(ずいしょう)の「蓑亀(みのがめ)」

特に縁起が良いとされるのが、甲羅に藻が付着し、それが長い尾のように見える「蓑亀(みのがめ)」です。 10,000年を生きる亀にふさわしい貫禄があり、お正月や結婚式などの慶事には欠かせないモチーフとなっています。


4.縁起物の世界:鶴亀と松竹梅

和菓子のデザインを考える際、私たちはよく「吉祥文様(きっしょうもんよう)」という縁起の良い図案を参考にします。

1. 鶴亀(つるかめ)

鶴と亀のセットは、長寿を祝う最強の組み合わせです。

  • 鶴: 天を舞う「陽」。
  • 亀: 地(水)に潜む「陰」。
    この「陰陽」が揃うことで、世の中の調和と永遠の繁栄を表すとされています。

上生菓子で『鶴』を作っていますのでこちらも参考にどうぞ。

2. 松竹梅(しょうちくばい)

おめでたい席の定番ですが、それぞれに厳しい環境に耐える強さがあります。

  • 松: 冬でも青々と茂る不変の命。
  • 竹: まっすぐ伸びる誠実さと、しなやかな強さ。
  • 梅: 寒さの中でいち早く花を咲かせる、生命の喜び。

上生菓子で『松』『竹』『紅梅』を作っています。こちらもご覧ください。


上生菓子で『亀』を作ってみた!

それでは、練切を使って『鶴』を作っていきたいと思います。

練切の作り方はこちらから。


まずは練切を緑色に着色します。どちらかといえば薄い色、黄緑とも違いますので若草色といった感じでしょうか。

上生菓子亀の緑色の着色

表面には黄色でぼかしていきたいと思うので、黄色にも着色します。

上生菓子亀の黄色の着色

緑の練切に黄色の練切を一部貼りぼかしにしてぼかしていきます。
黄色の量は多めにして黄色の面積は広めになるようにします。

亀の緑の練切に黄色の練切をぼかす

中あんは黒あんを使います。

中餡の黒餡

包餡(あんこを包むこと。)していきます。

亀の中あんを包餡する

きれいに黄色がぼけたものがたくさんできました。

亀の練切がきれいに包餡できた

今回の『亀』は型起こしで作っていきます。
こちらの型を使います。亀の甲羅がはっきりと出てくる型ですね。

亀の木型

黄色くぼけたところが甲羅の中心になるように配置して押しあてます。

亀の木型に練切を押し当てる

木型から抜いて形を成形します。

木型から抜いた上生菓子の亀

このままだと少し寂しいので、右上にちょんと金粉を。

木型から抜いた上生菓子の亀に金粉を乗せる

完成です。

上生菓子亀の完成

『亀』と一緒に穏やかな時間を味わう「ひととき」

今回は上生菓子で『亀』を作りました。
若草色に着色した亀の色のベースですが、どうしても青くさく感じられてしまうかもしれません。
そのため、黄色でぼかした面積をなるべく広く使い、お祝いの明るい感じを黄色で表現してみました。
黄色の単色で作ってみるのも、良いかもしれませんね。

この『亀』をいただくときは、ぜひいつもより少しだけ丁寧に、お抹茶や熱い濃い茶を用意してみてください。
亀は歩みが遅い動物ですが、一歩一歩着実に進みます。 そんな姿を思い出しながら、このお菓子をゆっくりと味わい、「今年は焦らず、でも着実に進もう」と自分自身に語りかける……そんな穏やかな「ひととき」を過ごしていただけたら嬉しいです。

前述した『鶴』と一緒に鶴亀で合わせるもの良いかもしれませんね!


2026年のお正月の上生菓子は全部で12種類作りました。
ほかの上生菓子もぜひご覧になってみてください。

私の作るお菓子が食べられるお店は富山県南砺市にある朝山精華堂というお店になります。
朝山精華堂オンラインショップはこちらから。

朝山精華堂オンラインショップ

Instgramもやっています。こちらもどうぞよろしくお願いします。

朝山精華堂Instgram

タイトルとURLをコピーしました