こんにちは、和菓子屋のあんまです。
今回はバレンタインデーにちなんで上生菓子で『気持ち』を作りました。
バレンタインデーやチョコレートについても調べましたので一緒にご紹介します。
上生菓子
上生菓子とは、日本の伝統的な和菓子の一種で、特に茶道や季節の行事で用いられる主菓子です。
上生菓子では季節の花や生き物、風景などから季節を感じられる言葉を具現化して表現したものまで色んな種類の材質(お菓子の種類)で表現します。
その種類一つにとっても様々な表現方法があり、職人の技術がお菓子として見られるのも特徴です。
今回の『気持ち』は練切(ねりきり)製です。
練切(ねりきり)
練切とは、あんこに餅や芋などのつなぎを加えて、のびやすく作業性のあるあんこで、繊細でデザイン性のあるお菓子が作れることが特徴です。
白餡に餅や芋を加えるとより白くあがり、着色をして様々な色を表現できることも特徴です。
練切の作り方はこちらをお読みください。
恋の季節:バレンタインデーと「想い」の形
バレンタインデーといえば、日本では「チョコレートを楽しむお祭り」のようになっていますよね。
しかし、その由来を辿ると、ちょっと切なくも温かい物語があるようです。
1. 聖バレンタインの伝説
3世紀のローマ、時の皇帝は兵士の士気が下がるとして若者の結婚を禁じていました。
それを哀れに思ったバレンタイン司教は、内緒で若者たちの結婚式を執り行っていたそうです。
それが皇帝の怒りに触れ、処刑されてしまった日が2月14日。
後に、彼は「愛の守護聖人」として崇められるようになりました。
2. 日本独自のバレンタイン文化
日本では1950年代後半から広まり始め、「女性から男性へチョコレートを贈る」という独自のスタイルが定着しました。最近では、
- 本命チョコ:大切なパートナーや好きな人へ。
- 義理チョコ:感謝を伝える同僚や友人へ。
- 友チョコ:女の子同士で楽しみ合う。
- ご褒美チョコ(自分チョコ):頑張った自分へのプレゼント。 というように、贈り方も楽しみ方も本当に多様になりました。
でも、どんな形であれ、根底にあるのは誰かを想う「気持ち」。
「ありがとう」「大好きだよ」「お疲れ様」。
そんな言葉にするには少し照れくさい想いを、お菓子という形に変えて伝える。そんな素敵なきっかけの日になればいいですよね!
そういった思いや背景を考えて今回の上生菓子は「気持ち」という菓名にしてみました。
上生菓子で『気持ち』を作ってみた!
では練切を主にして『気持ち』を作っていきます。
まずは、練切をピンク色に着色します。最後の形がハート型になるので、ハートにあう色を着色すればよいのですが、きつい赤色よりも淡いピンクのほうが良いかとおもいピンクに着色しました。


中あんにはチョコレートを使ったチョコレート餡を炊いてみました。
チョコレートを生クリームと一緒に溶かして、黒餡の練りあがり際に加えました。
チョコレートが入るとあんこが締まるので、柔らかめの按配で炊き上げます。

練切でチョコレート餡を包餡(あんこを包むこと。)します。

包餡した練切は少し高さをおさえてから、扇のように一ヵ所を角がでるような形に成形します。
角が出た部分がハートの下の角のある部分になります。

次にハートの頭のふたこぶの部分を作ります。
三角ベラの丸みのある部分を使います。

丸みのある部分の真ん中あたりを一思いにスッといれます。
ヘラの入り具合でハートの形が決まってくるので注意が必要です。

ふたこぶを指で丸く整えていきます。

このままだと寂しいので金粉をそっと添えます。

完成です。


バレンタインの「ひととき」を楽しむ
今回は上生菓子で『気持ち』を作りました。
単純なハートの形のようで、少しずれたりヘラの入りが変わるときれいなハートに見えなくなってしますので、形を揃えるのが大変かもしれません。
また、中あんチョコレート餡にしてみました。洋風の和菓子といった感じでいつもと違った味を楽しむことができます!
いつかチョコレート餡の炊き方もお教えできればと思います。
この『気持ち』はお茶はもちろんのこと、コーヒーと合わせてみるのもよいかもしれません。
練切とコーヒーも意外と合うので、そこにチョコレートのあんこならなおさらあいます。
深煎りのコーヒーを飲みながら、和菓子を食べるのは大人のバレンタインの楽しみ方かもしれませんね。
誰かを想う。自分を慈しむ。 そんな当たり前だけど大切な時間を、この小さなお菓子が彩ってくれたら嬉しいです。
「気持ち」を届けるバレンタイン。皆さんの心が、温かい愛と感謝で満たされる一日になりますように。
私の作るお菓子が食べられるお店は富山県南砺市にある朝山精華堂というお店になります。
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