白並餡を使って、白羊羹を練ってみた!

白い羊羹を練る あんこ

こんにちは、和菓子屋のあんまです。

四季の移ろいを写し、日本の風土を閉じ込めた和菓子。その中でも、羊羹はどこか奥ゆかしい佇まいを持つお菓子です。今回は白並餡を使って、白羊羹を練ってみました。

白並餡についての記事はこちらから。

寒天と白あんが織りなす物語

白羊羹の主役となるのは、白あん、そして羊羹に透明感と弾力を与える寒天です。

寒天を水に浸して戻すことから、工程は始まります。鍋に水と戻した寒天を入れ、弱火でじっくりと煮溶かしていきます。寒天が、ゆっくりと、しかし確実に姿を変え、鍋の中は透き通った海へと変わっていきます。
焦らず、ゆっくりと、すべてのが溶けきるまで待つこと。これが、羊羹の美しい仕上がりへの最初の第一歩です。

寒天が完全に溶けたら、いよいよ主役の白あんを投入します。 滑らかな白あんが、透明な寒天液とゆっくりと混ざり合う様子は、まるで水墨画のようです。 この時、まだ火は弱火のまま。ヘラを使って静かに混ぜ合わせ、均一な状態になったら、次の工程へと進みます。

羊羹に「腰」を入れる、練りの作業

ここからが、羊羹作りで最も重要であり、職人の技が光る「練り」の作業です。 鍋の中の羊羹は、まだ柔らかな液体です。この状態では、羊羹は羊羹として完成しません。 火を少し強め、ヘラを鍋底からしっかりと動かして練り上げ、水分を飛ばし、羊羹に「腰」を入れていきます。

「練る」という作業は、単にかき混ぜることではありません。 ヘラで鍋底を丁寧にさらうように、全体に均等に熱を通し、羊羹の生地に粘りと弾力を与えていくのです。 この作業には、かなりの体力と集中力を要します。 鍋の縁に残った羊羹をこそげ落とし、中央に集め、また練る。これを何度も何度も繰り返します。

練ることで羊羹は次第に艶を帯び、ヘラから落ちる羊羹が、糸を引くようにゆっくりと落ちるようになります。さらに練り続けると、その落ちる筋がまるで「松葉」のように二重、三重にもなるようになります。これは、羊羹がしっかりと煮詰まり、ほどよい粘りが出たというサインです。

また、もう一つの見極め方は、ヘラで鍋底をさっと通した時に、一瞬だけ鍋底が見えるようになることです。これは「ヘラあと」と呼ばれ、羊羹が十分に煮詰まり、腰が出た証拠。この状態までくると、羊羹は鍋底から離れるような独特の感触となり、まさに羊羹に命が吹き込まれた瞬間を感じることができます。

羊羹が生まれる、静かな時間

練り上がった羊羹を火から下ろしたら、熱いうちに型へと流し込みますが、今回は白い羊羹のまま残しておきます。
このようにタッパーにとって保存しておきます。

タッパーにとった白羊羹

再度、水で沸騰させるとまた柔らかい状態の羊羹に戻ります。
その時に白い羊羹があると、着色することで様々な色の羊羹を作ることができるので、白い状態の羊羹として保存しておくと便利です。


今回は白い羊羹を練ってみました。

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