こんにちは、和菓子屋のあんまです。
今回は上生菓子で『小芋』を作りました。里芋のことになります。
里芋についても調べましたので一緒にご紹介します。
上生菓子
上生菓子とは、日本の伝統的な和菓子の一種で、特に茶道や季節の行事で用いられる主菓子です。
上生菓子では季節の花や生き物、風景などから季節を感じられる言葉を具現化して表現したものまで色んな種類の材質(お菓子の種類)で表現します。
その種類一つにとっても様々な表現方法があり、職人の技術がお菓子として見られるのも特徴です。
今回の『里芋』は練切(ねりきり)製です。
練切(ねりきり)
練切とは、あんこに餅や芋などのつなぎを加えて、のびやすく作業性のあるあんこで、繊細でデザイン性のあるお菓子が作れることが特徴です。
白餡に餅や芋を加えるとより白くあがり、着色をして様々な色を表現できることも特徴です。
練切の作り方はこちらをお読みください。
土の恵みと秋の風情:里芋と「小芋」の深い物語
私たちが日常で何気なく口にしている「里芋」。実は、日本において米よりも古い歴史を持つと言われていることをご存知でしょうか?
1. 稲作以前からの主食:日本の原風景を支えた芋
里芋は、縄文時代後期から弥生時代にかけて日本に渡来したとされています。お米(稲作)が日本全国に普及するよりも前から、人々の貴重なエネルギー源として栽培されていました。
山に自生する「山芋(ヤマノイモ)」に対して、人里や里山で栽培されることから「里芋(サトイモ)」と名付けられたと言われています。文字通り、日本の「里」の暮らしや食文化を根底で支えてきた、とても息の長い作物なのです。
2.「子孫繁栄」と「豊穣」のシンボル
里芋の育ち方には大きな特徴があります。土の中に埋まった一つの「親芋」を中心に、その周りにたくさんの「子芋」、さらにその周りに「孫芋」が次々とついて大きくなっていきます。 この一株からたくさんの芋が収穫できる独特の姿から、古来より「子孫繁栄」や「家内安全」「豊作」を願う縁起の良い食べ物とされてきました。
お月見(十五夜・十三夜)の行事でも、里芋は欠かせない存在です。特に八月十五夜の月は「芋名月(いもめいげつ)」と呼ばれ、収穫したばかりの里芋をお供えして秋の恵みに感謝する風習が今も全国各地に残っています。
3. 「小芋」という愛おしい響き
親芋から分かれた、ころんと丸く小さな子芋や孫芋のことを、「小芋(こいも)」と呼ぶこともあります。 親芋の重厚な質感に比べて、小芋は皮が柔らかく、つるりとした独特のぬめりと、もっちり・ほっくりとした優しい食感が特徴です。煮物やお味噌汁に入っている小芋を口に運ぶと、なんだかホッとするような温かみが広がりますよね!
単純に「里芋」と菓名をつけずに、今回の上生菓子は「小芋」という菓名にしてみました。
上生菓子で『小芋』を作ってみた!
では練切を使って『小芋』を作っていきます。
まずは白の練切を使います。

中餡は黒あんを使います。

白の練切で黒あんを包餡(あんこを包むこと。)します。

形を成形します。少し細長いほうが形が出て面白いです。

成形した小芋に小さく練切をとってつけます。
ある意味孫芋?にあたるでしょうか。
これも動きとしてはとても面白くなります。


里芋特有の模様をつけていきます。
今回はシナモンを使います。

シナモンは和菓子の世界では模様付けに度々使用することがあります。
茶色い模様をつけるにはうってつけですが、もちろんシナモンの香りもつくのでシナモンが苦手な方には少し扱いづらいかもしれませんね。
細い筆で模様をつけます。シナモンのつけ過ぎに気をつけます。

豊かさと感謝を味わう「ひととき」
今回は上生菓子で『小芋』を作りました。
小芋は作り方はシンプルなだけに形がしっかりしないとみてくれも悪くなります。
模様も雑につけると汚い見た目になってしまうので、簡単だからこそしっかり作っていきたいですね。
この『小芋』をいただくときは、ぜひ温かい番茶や、焙煎の効いたほうじ茶など、素朴で香ばしいお茶と合わせてみてください。模様につけたシナモンがいいアクセントにもなりそうです。
この可愛い小芋を眺めながら、収穫の喜びや、自然の恵みへの感謝に想いを馳せる。
良い秋の「ひととき」になりそうですね!
その他にも季節に合わせて様々な上生菓子を作っています。
ぜひご覧になってお菓子で季節を楽しんでみてくださいね!
私の作るお菓子が食べられるお店は富山県南砺市にある朝山精華堂というお店になります。
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