こんにちは、和菓子屋のあんまです。
今回は上生菓子で『柿』を作りました。
柿についても調べましたので一緒にご紹介します。
上生菓子
上生菓子とは、日本の伝統的な和菓子の一種で、特に茶道や季節の行事で用いられる主菓子です。
上生菓子では季節の花や生き物、風景などから季節を感じられる言葉を具現化して表現したものまで色んな種類の材質(お菓子の種類)で表現します。
その種類一つにとっても様々な表現方法があり、職人の技術がお菓子として見られるのも特徴です。
今回の『柿』は練切(ねりきり)製です。
練切(ねりきり)
練切とは、あんこに餅や芋などのつなぎを加えて、のびやすく作業性のあるあんこで、繊細でデザイン性のあるお菓子が作れることが特徴です。
白餡に餅や芋を加えるとより白くあがり、着色をして様々な色を表現できることも特徴です。
練切の作り方はこちらをお読みください。
柿と日本の秋:その歴史と深い魅力
「柿が赤くなれば、医者が青くなる」という古くからのことわざがあるほど、柿は栄養価が高く、私たちの健康を支えてきてくれた果物です。しかし、柿の魅力は美味しさだけではありません。柿は日本の歴史と深いつながりがあります。
1. 縄文時代から愛されてきた「日本固有の果実」
柿は東アジア原産で、特に日本にとっては非常に歴史の古い果物です。日本国内の遺跡からは縄文時代の柿の種が出土していることもあり、古くは野生の「山柿」を人々が口にしていたと考えられています。奈良時代以降になると栽培が盛んになり、平安時代の文献にもすでに柿に関する記述が登場します。つまり、柿は日本人が太古の昔から味わってきた、いわば「故郷の味」の原点ともいえる果実なのです。
2.甘柿と渋柿の知恵:日本の発酵文化
皆さんもご存知の通り、柿には「甘柿」と「渋柿」があります。実は、世界的に見ても生で甘い実がなる「甘柿」が自生し、日常的に食べられているのは日本がほぼ唯一と言われています。
一方で、そのままでは食べられない「渋柿」も、日本人は無駄にしませんでした。軒下に吊るして作る「干柿」は、水分を抜くことで渋みを甘みへと変える、日本伝統の知恵と保存食の傑作です。
私の地元富山県南砺市も干柿の文化が盛んで、今が干柿作りの最盛期です。
白い粉をまとった干柿が冬の青空の下にずらりと並ぶ光景は、地元の風物詩となっています。
3. 俳句や文学に彩られた「秋の季語」
「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」——正岡子規のあまりにも有名なこの句をはじめ、柿は多くの文人たちに愛されてきました。 秋の夕暮れ、寂寂とした空気にふっと浮かび上がる、鮮やかなオレンジ色の実。一本の木にぽつり、ぽつりと残る赤い柿の姿は、どこか郷愁を誘い、日本の秋の「わび・さび」や情緒を最も雄弁に語ってくれる存在です。
4.青柿と熟した柿
今回は『柿』という菓名で上生菓子を作ってみました。
夏の終わりには『青柿』という菓名でも上生菓子を作っていますので、季節の移ろいも感じられるかと思います。
『青柿』についてはこちらから。
上生菓子で『青柿』を作ってみた!
では練切を使って『青柿』を作っていきます。
まずは練切をオレンジ色に着色します。色味はそう、柿色とでも言いましょうか。


中餡は黒あんを使います。

練切で中餡の黒あんを包餡(あんこを包むこと。)します。


形を整えます。
今回は少しだけ四角のような形に成形します。

柿の皮の艶を表現するために錦玉を周りにまとわせます。
錦玉の作り方はこちらから。
錦玉をハケを使ってまわりに塗っていきます。


最後にヘタの部分を作ります。
ヘタは茶色に着色します。この時期の柿は随分とくすんだ色のヘタにします。

伸ばして抜型でヘタの部分を切り取ります。


錦玉を塗った柿の上に配置して、完成です。


熟した秋を味わう「ひととき」
今回は上生菓子で『柿』を作りました。
形はシンプルなのですが、柿の色合いをしっかりと出すことがポイントです。
自然の恵みが最も豊かになる秋。
ぜひ秋の夕暮れや、少し肌寒くなってきた午後のティータイムに熟した秋の恵みをいただく「ひととき」を設けてみてください。
その他にも季節に合わせて様々な上生菓子を作っています。
ぜひご覧になってお菓子で季節を楽しんでみてくださいね!
私の作るお菓子が食べられるお店は富山県南砺市にある朝山精華堂というお店になります。
朝山精華堂オンラインショップはこちらから。
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