こんにちは、和菓子屋のあんまです。
今回は上生菓子で『ジャック・オー・ランタン』を作りました。
ハロウィンがやってきた! 上生菓子『ジャック・オー・ランタン』のいたずらな笑顔
秋も深まる10月の終わり。最近は日本でも、街中がオレンジと紫で彩られて、なんだかウキウキする季節になりましたね! そう、ハロウィンです! 子供から大人まで、みんなが仮装やパーティーを楽しむ、秋の収穫を祝う楽しいお祭りです。
ハロウィンのシンボルといえば、やっぱりカボチャのお化け、ジャック・オー・ランタン! あの、ニヤッと笑ったいたずらっぽい顔を見ると、思わずこちらも笑顔になってしまいます。今回は、そんな楽しいお化けを、上生菓子の練切で表現してみました!
菓名は、『ジャック・オー・ランタン』です。
練切で表現する「かぼちゃの丸み」と「いたずらな笑顔」
この『ジャック・オー・ランタン』は、練切を使ったヘラ切りの技法で、その愛らしい姿を表現しました。
まず、カボチャの実の色です。練切を、ハロウィンのかぼちゃらしい鮮やかなオレンジ色に染めました。
丸く包み込んだ後、ヘラで丁寧に筋を入れて、かぼちゃ特有のゴツゴツとした丸みを出しています。
そして、最大のポイントは、この「顔」の細工です!
小豆羊羹を薄く流して、三角形の目と、大きく笑った口を、包丁でカットして表現しました。
お化けなのに、怖くなくて、とっても愛嬌がある笑顔でしょう?
これが、和菓子ならではの優しい表現なんです。
頭のてっぺんには、緑色のヘタをちょこんと乗せました。この緑とオレンジのコントラストが、和菓子をよりかぼちゃらしく見せてくれます。
ほっくり「かぼちゃあん」が楽しい秋の味
菓名札にある通り、この『ジャック・オー・ランタン』の中身はかぼちゃあんを使いました。
見た目がかぼちゃなら、もちろん味もかぼちゃで! ほっくりとしたかぼちゃの優しい甘さとバターの風味が、練切の風味と合わさって、一口食べると秋の恵みが口いっぱいに広がります。
かぼちゃ自体、秋の収穫物ですから、ハロウィンというお祭りにはぴったりの味わいですよね。このお菓子で、秋の味覚を楽しく、そして美味しく感じてほしいなと思います。
遊び心と優しさを楽しむ「ひととき」
ジャック・オー・ランタンは、元々「悪霊を遠ざける」という意味が込められた、お守りのような存在です。
この『ジャック・オー・ランタン』をいただくときは、ぜひ、お友達や家族と、少し遊び心を持って。温かいチャイや、ミルクティーなど、洋風のお茶と合わせてみても楽しいですよ。
この可愛いお化けを囲んで、賑やかで楽しい時間を過ごす。皆さんも、この『ジャック・オー・ランタン』で、笑顔あふれる「ひととき」を過ごしてくださいね。

