こんにちは、和菓子屋のあんまです。
今回は上生菓子で『此の花(このはな)』を作りました。
此の花とはなにか?についても調べましたので一緒にご紹介します。
上生菓子
上生菓子とは、日本の伝統的な和菓子の一種で、特に茶道や季節の行事で用いられる主菓子です。
上生菓子では季節の花や生き物、風景などから季節を感じられる言葉を具現化して表現したものまで色んな種類の材質(お菓子の種類)で表現します。
その種類一つにとっても様々な表現方法があり、職人の技術がお菓子として見られるのも特徴です。
今回の『此の花(このはな)』はきんとん製です。
きんとん
きんとんは季節を表現する非常に芸術的なお菓子で、一般的にはあんこを少量の寒天で押し固め、そぼろ目状におしだして出てきたものを箸で盛り付けるものを指します。
「金団」と書き、「金の団子(または布団)」という意味があります。もともとは中国から伝わった揚げ菓子がルーツと言われています。
色合いなどで特定のものを表現するほか、情景や風景、感情などを抽象的に表現することもできます。
此の花とは何か?此の花について調べてみた!
🌸 「此の花」という名に隠された物語
今回の菓名の『此の花』。これは古くは「梅」のことを指す特別な呼び名です。
『此の花』としてますが、此花と書くことが多いです。
1. 難波津の歌
有名な古今和歌集の歌に、こんな一節があります。
「難波津(なにわづ)に 咲くやこの花 冬ごもり 今は春べと 咲くやこの花」
これは、冬の間じっと耐えていた梅の花が、春の訪れとともに美しく咲いた様子を詠んだものだそう。平安時代、単に「花」といえばそれは梅のことを指していました。
それほどまでに、梅は当時の人々にとって「春を象徴する唯一無二の花」だったそうです。
2. 「これこそが花である」という誇り
あえて「梅」と言わずに「此花(此の花)」と呼ぶ。
そこには、「数ある花の中でも、この花こそが一番だ」という、梅に対する深い敬愛の念が込められています。
冬を越え、春を告げる「梅」の強さ
和菓子のモチーフとして欠かせない「梅」。その特徴を少し掘り下げてみます。
寒中に咲く気高さ
梅は「百花の魁(さきがけ)」と呼ばれます。 他の花がまだ寒さに震えて蕾を閉ざしている中、雪の中でさえ花を開かせるその生命力は、古来より「不屈の精神」や「高潔さ」の象徴とされてきました。
香りの花
桜がその「姿」で人々を魅了するなら、梅は「香り」で春を知らせます。 どこからともなく漂ってくる清らかな梅の香りは、春を待ちわびる人々の心を優しく解きほぐしてくれますよね!
今回のお菓子『此の花』も、そんな「ふんわりと心が華やぐ瞬間」をイメージして作りました。
梅をモチーフにした上生菓子はこちらにも。
上生菓子で『此の花』を作ってみた!
それでは『此の花』を作っていきたいと思います。
まずはきんとん餡をつくります。
きんとん餡は白並餡の配合であんこを煮炊き、ある程度の固さになったら溶かした寒天を加えて作ります。
半分を白色、もう半分を赤色に着色して固めます。(前日までに作っておきます。)

きんとんぶるいできんとん餡をこしだしていきます。


中あんは柔らかく炊いた粒あんを使います。
まずは下になる部分にきんとんを貼りつけます。白と赤を半々ほどに。

箸を使ってきんとん餡を白と赤の半々になるように植え付けていきます。
きれいに出た目がつぶれないように気をつけます。

きれいに形作れたら完成です。


きんとんを味わう「ひととき」の贅沢
今回は上生菓子で『此の花』を作りました。
きんとんの作りとしてはオーソドックスな作りなんですが、紅白の色合いがしっかりでますので、日本の並べ方に習って、赤を右、白を左に配置することにしました。
紅梅と白梅の咲いている様をきんとんで表現できていれば幸いです。
この『此の花』には、ぜひ熱いお抹茶を合わせてみてください。
つぶあんのしっかりした甘みが、抹茶の心地よい苦味と出会うことで、口の中に幸せなハーモニーが広がります。
もちろん、淹れたての煎茶でも美味しくいただけます。
2026年のお正月の上生菓子は全部で12種類作りました。
ほかの上生菓子もぜひご覧になってみてください。
私の作るお菓子が食べられるお店は富山県南砺市にある朝山精華堂というお店になります。
朝山精華堂オンラインショップはこちらから。
Instgramもやっています。こちらもどうぞよろしくお願いします。


