上生菓子『鶴』

上生菓子鶴の完成2 上生菓子

こんにちは、和菓子屋のあんまです。
今回は上生菓子で『鶴(つる)』を作りました。
梅についても調べましたので一緒にご紹介します。

上生菓子

上生菓子とは、日本の伝統的な和菓子の一種で、特に茶道や季節の行事で用いられる主菓子です。
上生菓子では季節の花や生き物、風景などから季節を感じられる言葉を具現化して表現したものまで色んな種類の材質(お菓子の種類)で表現します。
その種類一つにとっても様々な表現方法があり、職人の技術がお菓子として見られるのも特徴です。

今回の『鶴(つる)』は雪平(せっぺい)製です。

雪平(せっぺい)

雪平(せっぺい)とは和菓子の材質の一種で、上生菓子にも使われます。
求肥にあんこ(白あん)やメレンゲを加えることによって、求肥よりも白く、求肥よりも扱いやすく仕上がります。
白く仕上げることで、白く見せたいお菓子や求肥のもっちり感が残るので、違いを作ることができます。
また、肌目が焼印ともあうので、きれいな焼き目を付けることができます。

雪平の作り方はこちらから。


鶴について調べてみた!

長寿と夫婦円満のシンボル『鶴』

1.鶴

鶴は、古くから「千年の命を持つ」と信じられてきた瑞鳥(ずいちょう)です。和菓子の意匠としては、真っ白な身体に赤い頭(丹頂)を配した鶴が使われることがあります。

  • 長寿の象徴: 「鶴は千年、亀は万年」という言葉通り、長生きを象徴する代表格です。
  • 夫婦円満: 鶴は一生、同じつがい(夫婦)で連れ添うという習性があります。そのため、結婚式などの婚礼のお菓子や、金婚式・銀婚式などの贈り物に好んで使われます。
  • 高貴な姿: 天空高く舞い上がる姿から、運気の上昇や立身出世を願う意味も込められています。

2.縁起物の世界:鶴亀と松竹梅

和菓子のデザインを考える際、私たちはよく「吉祥文様(きっしょうもんよう)」という縁起の良い図案を参考にします。

1. 鶴亀(つるかめ)

鶴と亀のセットは、長寿を祝う最強の組み合わせです。

  • 鶴: 天を舞う「陽」。
  • 亀: 地(水)に潜む「陰」。
    この「陰陽」が揃うことで、世の中の調和と永遠の繁栄を表すとされています。

2. 松竹梅(しょうちくばい)

おめでたい席の定番ですが、それぞれに厳しい環境に耐える強さがあります。

  • 松: 冬でも青々と茂る不変の命。
  • 竹: まっすぐ伸びる誠実さと、しなやかな強さ。
  • 梅: 寒さの中でいち早く花を咲かせる、生命の喜び。

上生菓子で『松』『竹』『紅梅』を作っています。こちらもご覧ください。


上生菓子で『鶴』を作ってみた!

それでは、おめでたいお正月にちなんだお菓子で長寿を祝うお菓子、『鶴』を雪平で仕上げていきたいと思います。

まずは、雪平を炊き上げていきます。作り方はこちらの記事をお読みください。


さて、雪平が炊きあがったということで『鶴』を形作っていきます。

炊きあがった雪平を粉板に落として、

炊きあがった鶴の雪平

あんこを包みます。
中あんは白あんを使います。雪平の割合が少ないので、中あんは白あんにしないと中あんの色が透けて見えてきてしまいます。

上生菓子鶴の中あんの白あん

包餡できました。求肥の包み方と同じ包み方をします。

包餡された上生の鶴

雪平の熱が抜けてから形を作っていきます。
まずは楕円型に成形します。

雪平を楕円型に成形

このようなタマゴ型を使って、

タマゴ型

くぼみを作っていきます。
また、鶴のおしりの部分を出すために丸みのある部分を手でとがらせていきます。

上生菓子の鶴のくぼみとおしりを作ったところ

くぼみは写真では見えづらいですが、後ほど意味がなされてきます。


次に練切を赤く染めて、鶴の頭の部分を作ります。
鶴の頭の赤は発色の良い赤色にして、一目で「鶴だ!」と思ってもらえるような特徴的な感じにします。

鶴の頭に乗せる赤い練切

この辺に配置します。

鶴の頭の部分に赤練切を配置する

次はクチバシです。
焼きごてを使ってスッとひきます。
なるべく細くスッとひいたほうがより鶴の細長いクチバシがイメージできます。

鶴のクチバシをひく

焼きごての平の部分を使って、おしりの部分に痕をつけます。
鶴の特徴的な青黒いおしりを表現しました。

鶴のおしりの部分に焼きごてで痕をつける

最後に黒ごまをつけて目を表現します。

鶴の目を黒ごまで表現する

完成です。

上生菓子鶴の完成
上生菓子鶴の完成2

雪平の柔らかさと白あんの甘さを合わせて

今回は上生菓子で『鶴』を作りました。
表面にタマゴ型でくぼみをつけたのは、鶴が首をのばして後ろを振り返っているかのようにみせるためのものです。
雪平の按配がいいとくぼみや形もきれいに取れるので雪平の按配は重要と言えます。

雪平はメレンゲも入りふわっと柔らかく、また中あんの白あんの上品な甘さととっても合います。
『鶴』の形を愛でながらもほんのり甘いお菓子をご堪能ください。

またこの『鶴』をいただくときは、ぜひお抹茶と一緒に召し上がってください。
抹茶のすっきりとした苦みは雪平の上品な甘さとピッタリです!
優雅な「ひととき」を味わうにはとても良い組み合わせですので、ぜひお抹茶と雪平をご一緒に。


2026年のお正月の上生菓子は全部で12種類作りました。
ほかの上生菓子もぜひご覧になってみてください。

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