こんにちは、和菓子屋のあんまです。
みなさん、和菓子といってどのようなイメージ、想像をされますか?
日本古来の~だったり、お茶と合う~だったりそんなイメージがありますよね。
単純にお菓子の名前を思いつく方もおられるのではないでしょうか。どら焼きだったり、羊羹だったり、いちご大福だったり。
今回はそんな和菓子について深堀してみたいと思います。
さて、まず和菓子とは何かということなのですが、このように解釈されています。
○和菓子
日本の古くからのお菓子が和菓子ということですね。
私の習ってきた感覚では、明治維新で西洋から入ってくる文化(お菓子)以前からあるものを和菓子と呼ぶような感覚です。
ですので例えば、カステラはカタカナ表記でポルトガルから伝わったお菓子ですが、江戸時代に伝わった文化なので和菓子。といったところです。
○和菓子の特徴
当たり前ですが、ほとんどが日本で取れるものですよね。
自然から取れるものが多いので、どちらかというとすっきりとした味わいで、素材そのものの味がよく伝わるのも和菓子の特徴です。
また、職人が手作業で一つ一つ丁寧に作り上げる、伝統的な技法が用いられることも多く、繊細で美しいデザインのものも多くあります。
上生菓子の練切などにみられるものがそうですよね。
○和菓子の種類
和菓子には、水分量によって生菓子、半生菓子、干菓子の3種類があります。
水分含有量が30%以上。日持ちしないが、繊細な美しさと味わいが特徴。
主な和菓子としては、練切、道明寺、饅頭、ういろうなどです。
水分10~30%。日持ちと風味のバランスがとれているものが多くあります。
主な和菓子としては、最中、蒸しきんつば、こなしなどです。
水分10%未満。保存性が高く、見た目もかわいらしく作られるものが多い。
主な和菓子としては、落雁、金平糖、あられなどです。
大きくわけるとこの3種類に分類されますが、もっと細かく分類わけすることもできます。
主だった材料だけでも、米、麦、豆類、砂糖などがありますから、水分量、材料、作り方、仕上げ方が違えば全く違うお菓子になります。
また日本にはたくさんの材料がありますから、なかなかお目にかかれないものもあるので、繊細に扱うようにしたり、一発勝負!で作ることもしばしば。
1年に1回しか作らない(その時期にしか作れない)ものもあるので、毎年感覚を戻しながらお菓子を作っています。
○用途・行事による分類
茶道で使われる上品な和菓子。
主な和菓子としては、練切、落雁などです。
季節や歳時記に合わせた和菓子。
主な和菓子としては、桜餅、水無月、栗きんとん、はなびら餅などです。
結婚や出産、節句などのお祝いに用いられる和菓子。
主な和菓子としては、紅白饅頭、千歳あめなどです。
仏事やお盆などに用いられる和菓子。
主な和菓子としては、ぼたもち、おはぎなどです。
お茶席のお菓子は一つ一つ細かい細工がされているお菓子が多く、季節のお菓子は細工というよりは味の美味しさが際立つような印象を受けます。
茶席の練切や落雁などの干菓子にしても、その季節季節に応じたものに細工されるので、和菓子を作るときは季節や習慣などをよく理解して作られることが多いです。
私もお菓子を作るだけではなく、花の名前や年中行事の意味合い、それらにまつわる約束事など色々な方面を勉強することもたくさんあります。
単純な和菓子としてだけではなく、一緒にたくさんのことを学べるのも和菓子のいいところですね!
○地域と和菓子
和菓子は日本の伝統的な和菓子。とはいえ、地域ごとに様々な特徴があるのも面白い点です。
例えば、京都だと八橋、名古屋だとういろう、長崎だとカステラのようにその地域に長く存在し愛されてきたお菓子はたくさんあります。もちろん文化的な側面もあります。
また、同じ和菓子でも材料や作り方、はたまた呼び方まで変わっているものもあります。
桜餅はとてもいい例だと思います。
関東と関西では全く違うものとなっています。
関東では平鍋で焼いたクレープのような生地であんこを巻いて包む長命寺と呼ばれる形。
関西では道明寺粉であんこを包んだ道明寺と呼ばれる形になっています。
私のお店は富山県にあり、関東と関西のちょうど間にあります。
どちらの形なのかというと…どちらの形もあります!!
どちらの桜餅も食べられるのはちょうど中間に位置する我々の特権だったりするのかな?
また、私のお店の地域では、法事・法要に際して、「おけそく」といった小さいお餅を用意します。仏前にお供えされる丸いお餅でして、どうやら富山県でもある一定の地域の文化だそうです。
このようにみると、日本全国にはその地域に合わせて、その地域特有の和菓子が用いられていると思うと、和菓子の種類って数えようがないくらいあるんじゃないかなと思いますよね。日本ってすごい!
さて、みなさんはどのような和菓子がお好きでしょうか。
インターネット投票では、このような結果になったそうです。
- いちご大福
- みたらし団子
- わらび餅
- おはぎ
- たい焼き
- 大福
- カステラ
- ようかん
- あんみつ
- まんじゅう
なるほど。結構ジャンルや作り方も異なりますね~。
先ほどの和菓子の種類で分類化すると、生菓子が多くランクインしている印象です。
やはり水分量が多いので、味がしっかり伝わりやすく、どのようなシーンにも合いやすいからではないかと考察します。
ランキングの中の和菓子は一通り作ったことがありますが、唯一ないのがたい焼き。
アツアツの焼きたてのたい焼き美味しいですよね!
私はあんこがびっしりのたい焼きで、“天然”と言われる1匹ごとに焼いていくたい焼きが好きなのですが、ガスなどの設備とたい焼きの型が必要なので、いかんせんそれを用意するのが大変で手を出したことがありません。
一度たい焼きを焼いてみたいな~
ランキング上位の3つは、米やお餅が使用されていますね。
やはり日本人には米、餅の美味しさを感じる感覚がしっかりとあるみたいですね!嬉しいです。
ただ、この3つともに同じような米や餅のものを使われているわけではなく、こちらも材料や製法の違いでまったく別の和菓子の材料がうまれており、それを各和菓子に合うものを使用することによって、より美味しい和菓子が出来上がるというようになっています。
米や餅の種類もたくさんあり、非常に細かく分かれているのでこちらはまた別の機会に深堀してみましょう。
あと、個人的に一番好きな和菓子はどら焼きです。地域によっては三笠と呼ばれています。
ふわっとしたどら焼きの生地に、粒のしっかりたったあんこバランス。最高ですよね!
温かいお茶と一緒にほっと一息。心が安らぎますね。
和菓子は日本人の心の安らぎを与えてくれるものが多くありそうですね。
ただどら焼きがまさかのランキング外でびっくり残念でした。
私のお店でも自慢のどら焼きを出しておりますので、機会があればぜひご賞味くださいませ!
今回は和菓子について深堀してみました。
いくつか細分化してみましたが、まだまだ細分化できるのが和菓子のすごいところで、奥深いところですね。
これからも和菓子を作りながら、色々と勉強して和菓子の細部まで知り尽くしてみようと思います。果てしない!
そんな私の作るお菓子が食べられるお店は富山県南砺市にある朝山精華堂というお店になります。
朝山精華堂オンラインショップはこちらから。
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