上生菓子『若かえで』

若かえでの完成2 上生菓子

こんにちは、和菓子屋のあんまです。
新緑の季節ですね!今回は上生菓子で『若かえで』を作りました。
新緑の季節と楓(かえで)についても調べましたので一緒にご紹介します。

上生菓子

上生菓子とは、日本の伝統的な和菓子の一種で、特に茶道や季節の行事で用いられる主菓子です。
上生菓子では季節の花や生き物、風景などから季節を感じられる言葉を具現化して表現したものまで色んな種類の材質(お菓子の種類)で表現します。
その種類一つにとっても様々な表現方法があり、職人の技術がお菓子として見られるのも特徴です。

今回の『若かえで』は練切(ねりきり)製です。

練切(ねりきり)

練切とは、あんこに餅や芋などのつなぎを加えて、のびやすく作業性のあるあんこで、繊細でデザイン性のあるお菓子が作れることが特徴です。
白餡に餅や芋を加えるとより白くあがり、着色をして様々な色を表現できることも特徴です。

練切の作り方はこちらをお読みください。


新緑の季節と楓

「新緑」という言葉を聞くだけで、なんだか心がワクワクしませんか?
冬の厳しい寒さに耐え、エネルギーを蓄えてきた植物たちが、一斉に命を芽吹かせるこの季節。
若葉の鮮やかな緑色は、生命力そのものですよね。

1.「若楓(わかかえで)」について

楓(かえで)といえば、秋の真っ赤な紅葉が有名ですが、春から初夏にかけてのまだ青々とした楓の葉を「若楓(わかかえで)」や「青楓(あおかえで)」と呼びます。
その青々しい感じは清々しい新緑の季節にぴったりな風情を出してくれます。

  • 淡い緑のグラデーション:まだ硬さが残る薄い葉が、太陽の光に透けて輝く様子。
  • 生命の息吹:柔らかくて、でもこれから大きく育とうとする力強さ。

今回の菓名をつける際に単純に「若楓」としてもよかったのですが、漢字ばかりだと固い感じかするので「若かえで」としてみました。


上生菓子で『若かえで』を作ってみた!

それでは練切を使って『若かえで』を作っていきます。

まずは練切を挽茶色に着色します。
色味は新緑の季節に合わせて薄い色合い(黄色みがかった色)にします。

若かえでの黄緑色の練切
若かえでの黄緑色の練切2

ぼかしをいれるために白色の練切も使います。

若かえでの白練切

中餡は黄味餡を使います。
この後にへらで線を入れるので、中餡の色合いは薄いほうが良いです。

立葵の中あんの黄味餡

挽茶色の練切と白色の練切をぼかして、黄味餡を包餡(餡をつつむこと)します。

若かえでを包餡した状態

包餡したものを平板に打ち付けて、表面を平にしてもみあげます。

平板
若楓を平板で打ち付けた

三角ベラで楓の葉っぱになるようにへらをいれます。

若かえでに三角ヘラでへらをいれる

楓の葉は7つに分かれており、枝の部分も合わせて数が揃うようにへらを入れていきます。
先端の部分の葉を一番大きくなるように、手前の葉を小さくなるようにして大きさのバランスを作っていきます。

指で先をとがらせていきます。

若かえでの先を指でとがらせる

マジパンの先を使って、葉の葉脈の部分の線をスッといれていきます。

マジパン用の先の鋭い棒
若かえでの葉脈の線を入れる

葉にギザギザの部分を作っていきます。

若かえでの葉のギザギザをつける

あまりつけすぎるといやらしく感じるので、先端とその両サイドの葉のみギザギザをつけます。

完成です。

若かえでの完成
若かえでの完成2

新緑を楽しむ、丁寧な「ひととき」

今回は上生菓子で『若かえで』を作りました。

楓の向きは葉が上に向くように配置しました。
青々とした楓が秋に向かって生き生きと育っていくようなイメージで上に向けて配置しました。
きれいに丁寧に作ることで、ビシッと仕上がる形なので職人の技量も出てきます。
しっかりと作っていきたいと思います。

この『若かえで』をいただくなら、ぜひともおすすめしたいのが、少し軽やかなお茶とのペアリングです。

  • お茶との合わせ方:爽やかな若葉のイメージに合わせて、少し渋みの効いた煎茶や、瑞々しい風味の若芽の抹茶などがぴったり。
  • 器選び:写真のように、少し温かみのある土ものの器に載せると、緑の色が一層引き立ちます。

この時期は新茶の季節です。お茶がとっても合う季節なので、清々しい新緑のこの時期に窓際に座って、庭の木々を眺めながら、お菓子を味わう。
そんな「ひととき」をぜひいかがでしょうか。


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