上生菓子『水芭蕉』

上生菓子水芭蕉完成2 上生菓子

こんにちは、和菓子屋のあんまです。
今回は上生菓子で『水芭蕉』を作りました。
についても調べましたので一緒にご紹介します。

上生菓子

上生菓子とは、日本の伝統的な和菓子の一種で、特に茶道や季節の行事で用いられる主菓子です。
上生菓子では季節の花や生き物、風景などから季節を感じられる言葉を具現化して表現したものまで色んな種類の材質(お菓子の種類)で表現します。
その種類一つにとっても様々な表現方法があり、職人の技術がお菓子として見られるのも特徴です。

今回の『水芭蕉』は練切(ねりきり)に羊羹をつけて仕上げています。

練切(ねりきり)

練切とは、あんこに餅や芋などのつなぎを加えて、のびやすく作業性のあるあんこで、繊細でデザイン性のあるお菓子が作れることが特徴です。
白餡に餅や芋を加えるとより白くあがり、着色をして様々な色を表現できることも特徴です。

練切の作り方はこちらをお読みください。

羊羹(ようかん)

羊羹とは、「小豆(あずき)のあんこ」を「寒天(かんてん)」で固めた、日本の伝統的な和菓子です。
寒天の煮詰め具合(温度管理)や、餡と砂糖の絶妙な配合比率によって、口溶けや日持ちが劇的に変わります。

白羊羹の練り方はこちらをお読みください。


湿原に咲く「森の妖精」:水芭蕉

水芭蕉といえば、やはり「夏の思い出」の歌にあるような、湿原のイメージが強いですよね。
ただ、水芭蕉は場所にもよりますが、5月ごろから咲くところもあり、これからの時期が見頃のようです。
そんな水芭蕉について少し調べてみました。

1.厳しい冬の後の贈り物

水芭蕉は、雪解けの早い時期から芽を出し始めるそうです。
まだ冷たい空気が残る中、雪の中から真っ白な苞(ほう)を見せる姿は、「春の使者」。
あの白く美しい部分は、実は花びらではなく「仏炎苞(ぶつえんほう)」という葉が変化したもので、本当の花はその中心にある小さな突起のような部分みたいです。
白と黄色のイメージだとすれば、黄色の部分が花ということになりますね。

2.清らかな水の象徴

名前の通り、水辺や湿地を好む花です。
濁りのない清らかな水辺でしか育たないと言われるほど、水芭蕉の存在は「純粋さ」や「清らかさ」の象徴でもあります。
その姿を見ているだけで心が洗われるような気持ちになれそうですね!


上生菓子で『水芭蕉』を作ってみた!

では練切を使って『水芭蕉』の土台を作っていきます。
途中で羊羹も使って水の部分を表現していきます。

まずは白の練切を土台に中餡の黒餡を包餡(あんこを包むこと)していきます。

水芭蕉用の白練切
中餡の黒餡

きれいに包餡できました。

水芭蕉の土台が包餡された状態

次に平板を使って表面を平にしていきます。

平板

表面が平になったら、水芭蕉の土台の完成です。

水芭蕉の土台の完成

今度は羊羹を練っていきます。
今回の上生は水辺に咲く水芭蕉をイメージして作っているので、白い羊羹を水色に着色して使います。

羊羹を水色に着色

白羊羹の作り方についてはこちらをお読みください。

まだ柔らかいうちの羊羹をスプーンですくい、垂らします。

水色の羊羹を垂らす

その上から平らな面を下にして、土台の部分を貼り付けます。
羊羹がまだ柔らかいうちではないとくっつきませんので、手早く行います。

羊羹に水芭蕉の土台を貼り付ける

水芭蕉の花の部分を作っていきます。前述したように白い部分は花びらではないようですが・・・。

まずは白い練切を麺棒でのばします。

麺棒でのばした白い練切

葉っぱの抜型を使って白い部分を抜き取ります。

葉っぱの抜型で抜く

中の芯の黄色い部分も作ります。
練切を黄色に着色します。少し発色の良い色にしました。

水芭蕉の芯の部分の黄色の練切

小さく取って形を作り、白の練切で両側からギュッと挟みます。

I水芭蕉の花を作る

水色の羊羹が貼り付いている土台の右側に配置します。

土台の上に水芭蕉の花を配置する

完成です。

上生菓子水芭蕉完成
上生菓子水芭蕉完成2

水芭蕉の持つ静けさの「ひととき」

今回は上生菓子で『水芭蕉』を作りました。

夏も少しずつ近づいてくる中で、羊羹や錦玉といったものも多く使われるようになります。
今回の水芭蕉もその一つで、淡い水色の羊羹にすることによって食べ物としての涼やかさを表現しています。
水色の羊羹から薄くのぞかせる白練切も一つポイントにしてます。

やはり、少し温かめのお抹茶と合わせるのが一番です。
森の奥にひっそりと咲く水芭蕉をイメージすると、このお菓子を食べているときだけは、スマホを置いて、少し窓の外の風を感じてみるのも良いかもしれません。
水芭蕉の持つ「静けさ」を、甘さとともに噛みしめていただければと思います。

ぜひ静けさを感じる良い「ひととき」を。


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