二十四節気『小暑(しょうしょ)』。夏の暑さが本格的に始まる頃。涼を呼ぶ和菓子とともに、心穏やかに過ごす夏のひととき

小暑のころ 時候あれこれ

こんにちは、和菓子屋のあんまです。
皆さんは二十四節気(にじゅうしせっき)というものをご存じでしょうか?

二十四節気(にじゅうしせっき)は、古代中国で紀元前300年代頃に考案され、日本には平安時代に伝わった暦の仕組みです。
一年を24等分し、約15日ごとに「節気」と呼ばれる区切りを設けることで、季節の変化をより正確に把握できるようにしたものになります。

今回は、『小暑(しょうしょ)』について調べてみました。2026年は7月7日(火)です。

ひとつ前の二十四節気、『夏至(げし)』についての記事もありますので合わせてお読みください。


二十四節気『小暑(しょうしょ)』

1.小暑(しょうしょ)とは

小暑とは、一年の中で最も暑い時期である「大暑(たいしょ)」に向かって、暑さがこれから本格化していく節気のことです。

「暑さの始まり」を意味するこの節気。文字通り、梅雨明けが近づき、日差しが日に日に強さを増していく頃合いです。蝉の声が聞こえ始め、雲は高く、力強く空に浮かぶ。本格的な夏が到来する前の、いわば準備期間ともいえる季節ですね。

私の住む北陸富山だとまだ梅雨の真っただ中で、雨の降ることも多いのですが、皆さまの住む地域では、どのような夏の気配が感じられますか?
今年はたまたま七夕の節句とも日がかぶりましたが、天の川などはみえそうでしょうか?
梅雨なのに暑い!そんなじめっと暑く感じる時期が「小暑」なのかもしれませんね。

小暑のころ

2.小暑と和菓子:五感で味わう「涼」の演出

本格的な暑さがやってくると、和菓子屋の仕事も大きく変わります。
温かいお茶に合うこっくりとしたお菓子から、冷やして美味しい、目にも鮮やかな「涼菓」へと主役が移り変わっていきます。

○生菓子:葛焼き・葛饅頭(くずまんじゅう)

小暑の時期、なんといっても外せないのが葛(くず)を使ったお菓子です。 葛粉を丁寧に練り上げ、透明感あふれる生地に仕上げた葛饅頭。氷水に浮かべてお出しすると、その透き通るような美しさは、見ているだけで体温が少し下がるような錯覚を覚えます。

葛独特の「つるり」とした喉ごしは、食欲が落ちがちなこの時期にも、不思議と身体に馴染みます。葛は身体を内側から冷やし、滋養強壮にも良いとされてきました。古来より人々は、この涼やかなお菓子に、暑さを乗り切る知恵を込めていたようですね。

○上生菓子:団扇

上生菓子の団扇

〇上生菓子:涼景

上生菓子涼景

上生菓子も涼しそうな名前から、錦玉などのつるっと食べやすい材質など、涼やかに変化してきますね!

3.「暑中見舞い」のように、心を通わせる

小暑の時期は、ぜひ「誰かを想う時間」を大切にしてみてください。

古来、日本人はこの時期に「暑中見舞い」を送り、遠く離れた人の体調を案じてきました。現代ではSNSなどで手軽に連絡が取れますが、そんな時代だからこそ、季節の和菓子を添えて、あるいは季節の風景を添えて、大切な方に想いを送ってみるのはいかがでしょうか?

和菓子には、言葉を添えなくても「季節を慈しむ心」を伝える力があります。 私たち和菓子屋のあんまも、店頭で小さなお菓子を手に取ってくださるお客様の顔を浮かべながら、「今日はお元気かな」「この暑さ、少しでも涼を感じていただけたらいいな」と願いながらお菓子を並べています。


おわりに

小暑から大暑、そして立秋へ。 暑さはこれからが本番です。時にはその暑さに疲れてしまうこともあるかもしれません。

しかし、この暑さがあるからこそ、私たちは木陰の風のありがたさを知り、冷たい水の一杯に感謝することができます。和菓子をいただく「ひととき」もまた、そんな日常の中に隠れた、小さな感謝を見つける時間です。

窓から差し込む夏の強い光。 テーブルの上に置かれた、ガラスの器に入った涼やかなお菓子。 お気に入りの湯飲みから立ち上る、ほんの少しの湯気。

そんな些細な風景を、ゆっくりと味わってみてください。 忙しい時間の中で、ふと呼吸を整えることができるなら、どんな夏もきっと、豊かで思い出深いものになるはずです。

次回は、一年で最も暑いといわれる『大暑(たいしょ)』を深掘りしたいと思います。


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