こんにちは、和菓子屋のあんまです。
今回は上生菓子で『濡れ燕』を作りました。
ツバメについても調べましたので一緒にご紹介します。
上生菓子
上生菓子とは、日本の伝統的な和菓子の一種で、特に茶道や季節の行事で用いられる主菓子です。
上生菓子では季節の花や生き物、風景などから季節を感じられる言葉を具現化して表現したものまで色んな種類の材質(お菓子の種類)で表現します。
その種類一つにとっても様々な表現方法があり、職人の技術がお菓子として見られるのも特徴です。
今回の『濡れ燕』は練切(ねりきり)製です。
練切(ねりきり)
練切とは、あんこに餅や芋などのつなぎを加えて、のびやすく作業性のあるあんこで、繊細でデザイン性のあるお菓子が作れることが特徴です。
白餡に餅や芋を加えるとより白くあがり、着色をして様々な色を表現できることも特徴です。
練切の作り方はこちらをお読みください。
雨空を駆けるツバメ
雨がしとしとと降り続く梅雨の季節。外に出るのが少し億劫になる日が多いですが、外ではツバメが飛んでいたりもしますね。雨とツバメ。日本人の琴線に触れるような情景をお菓子にして描いてみました。
梅雨やツバメについて少し調べてみましたのでお読みください。
1.梅雨とは?
梅雨という名前の由来には諸説ありますが、梅の実が熟す時期に降る雨であることからその名がついたという説が有名です。 昔の人は、梅雨の訪れと共に季節の巡りを感じていたようですね。
2.春の使者「ツバメ」
ツバメは、古くから日本人の暮らしのすぐそばにいる、とても馴染み深い鳥です。
農家の方々にとっては、害虫を食べてくれる「益鳥」として、また、ツバメが巣を作る家は「商売繁盛」や「子孫繁栄」をもたらす縁起の良いものとして大切にされてきました。
3.雨とツバメの関係
低気圧が近づいて雨が降る前になると、ツバメが低空を飛ぶ姿をよく見かけますよね。
これは、雨で羽が重くなった虫や、湿気で低く飛ぶ虫を追いかけているかららしいです。
まさに「ツバメが低く飛ぶと雨」という昔からの言い伝えは、理にかなった自然の知恵なんですね。
雨に濡れながらも、力強く、そして優雅に雨空を駆ける燕の姿を、日本人は古くから「濡れ燕」と呼び、俳句や浮世絵など、様々な芸術のモチーフにしてきました。
今回はそれをお菓子にして「濡れ燕」として表現してみたいと思います。
上生菓子で『濡れ燕』を作ってみた!
では練切を使って『濡れ燕』を作っていきます。
まずは練切を青色に着色します。
雨の感じを青色で表現しますが、あまり色が濃いと食欲が失せてしまうので、薄い色合いにします。

今回は巻仕上げで仕上げます。
中餡は芯の部分に使うので、黒餡を俵型に成形しておきます。

青の練切を麺棒でのばしていきます。
長方形のような形にのばしていきます。

横を長さにあわせてカットします。

縦の長さをカットします。
これできれいな長方形になります。

中餡の黒餡を芯において巻いていきます。


次に羊羹を抜型で抜いていきます。
まずは事前に流しておいた羊羹を用意します。
この羊羹は黒餡を使っており、黒餡の素朴な黒味の色合いを使っています。

こちらはツバメの抜型です。個人的なお気に入り。どうしてもこの時期に使いたくなってきます。

抜型で抜いたツバメを練切の右上に配置します。

完成です。


雨音と楽しむ「ひととき」、静かな贅沢を
今回は上生菓子で『濡れ燕』を作りました。
今回の濡れ燕は練切を単色の青色にしましたが、白や黄緑などとぼかしてのばして巻いていくのも面白いと思います。
簡単に作った分だけ黒羊羹のツバメが映えてみえるのでその点は良い点かと思います。
巻仕上げも様々なパターンがあるので、色々作ってみたいと思います。
雨が降りしきる日はお出かけをあきらめて、家の中でゆっくりとお菓子を愛でるのが一番の贅沢かもしれません。
熱めのほうじ茶を用意して、ほうじ茶の香ばしい香りと、練り切りの優しい甘さ。そして、口の中に広がる黒餡の深み。雨の日はこのような「ひととき」を送ってみるのもいいかもしれませんね。
その他にも季節に合わせて様々な上生菓子を作っています。
ぜひご覧になってお菓子で季節を楽しんでみてくださいね!
私の作るお菓子が食べられるお店は富山県南砺市にある朝山精華堂というお店になります。
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