二十四節気『白露(はくろ)』。朝夕の涼風と草花に宿る露、秋の気配が感じられる頃の和菓子とひととき

穂が実っている稲2 時候あれこれ

こんにちは、和菓子屋のあんまです。
皆さんは二十四節気(にじゅうしせっき)というものをご存じでしょうか?

二十四節気(にじゅうしせっき)は、古代中国で紀元前300年代頃に考案され、日本には平安時代に伝わった暦の仕組みです。
一年を24等分し、約15日ごとに「節気」と呼ばれる区切りを設けることで、季節の変化をより正確に把握できるようにしたものになります。

今回は、『白露(はくろ)』について調べてみました。2026年は9月7日(月)です。


二十四節気『白露(はくろ)』

1.白露(はくろ)とは

白露とは、大気が冷えて夜間に水蒸気が冷やされ、草木の葉などに白い露となって宿るようになる時期を意味しています。日中はまだ夏のの名残りである残暑が厳しい日もありますが、朝晩にはふっと涼しい風が吹き抜け、確実に季節が秋へと移行していることを教えてくれます。
窓から吹き込む風や夜の虫の声に、ふと秋の気配を感じられたりしますよね!

野山の草花にきらめく朝露は、昔から日本人の詩心を刺激してきました。古の歌人たちは、草葉の露を「儚さ」や「秋の訪れのしるし」として多くの和歌に詠んでいます。むせ返るような夏の緑から、どこか透明感を帯びた静謐な空気へ。
世界がゆっくりと、しかし確実に色合いを変えていくのがこの季節です。

朝晩の空気は驚くほど爽やかになり、田んぼの稲穂は黄金色に頭を垂れ始めます。実りの秋の足音が、いよいよ間近に聞こえてくる……そんな心躍るような、そしてどこか切なさを伴う季節の変わり目です。

小暑のころ

2.白露と和菓子:秋の足音を感じさせる落ち着いた甘味

和菓子の世界では、秋の素材や情緒を先取りした意匠が顔を出し始めます。
秋が早く感じられる。とってもいいことですね!

○栗を使ったお菓子

秋の味覚、「栗」。
白露を過ぎると、市場には新栗が出回り始めます。
最近は暑さも厳しく、栗の出回る時期も少し遅い気もしますが。
和菓子屋にとっても、栗きんとんや栗蒸し羊羹など、栗を使ったお菓子を仕込む楽しみな季節の始まりです。

ホクホクとした栗の自然な甘みと、少しずつ深まる秋の気配。温かいお茶と一緒にいただく栗菓子は、夏の疲れを優しく癒やしてくれる極上のご褒美です。

○上生菓子:初秋

上生菓子初秋

〇上生菓子:赤とんぼ

上生菓子赤とんぼ

初秋にピッタリの落ち着いた色合いの上生菓子が並びます。

○月見団子

白露の時期は、まもなく訪れる「中秋の名月(芋名月)」の準備期間でもあります。
当店の月見団子は中に牛皮の入った練切製で、シンプルながらも上品な甘みの月見団子です。
季節を感じられるお月見には欠かせないお菓子です。


おわりに

白露の季節は、一日の寒暖差が少しずつ大きくなってきます。 だからこそ、あたたかいお茶を淹れる時間が、一段と愛おしく感じられるようになります。

朝の清々しい空気の中で、あるいは夕暮れ時の静かな部屋で、秋の気配を感じながら和菓子を口にする。 夏の忙しさや慌ただしさがふっと遠ざかり、自分の内面と静かに対話できるような、そんな豊かな「ひととき」を日常に取り入れてみてください。

和菓子は、ただお腹を満たすものではなく、季節の移ろいを心で味わうための小さな芸術です。

結びとして:実りの秋へ向かって

白露は、夏から秋へと季節のバトンが完全に渡される大切な節目です。
自然が静かに、しかし確実に実りの準備を進めているように、私たちの心もまた、新しい季節の豊かさを受け入れる準備を整えていきたいものです。

美味しい和菓子と温かいお茶とともに、移りゆく季節の美しさを愛でる。
そんな穏やかな時間が、皆さまの毎日にそっと寄り添うことができれば嬉しく思います。

次回は、「秋分(しゅうぶん)」を深掘りしたいと思います。


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