こんにちは、和菓子屋のあんまです。
皆さんは二十四節気(にじゅうしせっき)というものをご存じでしょうか?
二十四節気(にじゅうしせっき)は、古代中国で紀元前300年代頃に考案され、日本には平安時代に伝わった暦の仕組みです。
一年を24等分し、約15日ごとに「節気」と呼ばれる区切りを設けることで、季節の変化をより正確に把握できるようにしたものになります。
今回は、『霜降(そうこう)』について調べてみました。2026年は10月23日(金)です。
二十四節気『霜降(そうこう)』
1.白露(はくろ)とは
霜降とは、その漢字の通り「霜(しも)が降りる」という意味です。秋が一段と深まり、朝夕の冷え込みによって露が凍って霜へと変わり始める時期を指します。二十四節気の「秋」を締めくくる最後の節気であり、この霜降が過ぎると、暦の上ではいよいよ「立冬(りっとう)」、つまり冬の訪れを迎えることになります。
霜降の時期になると、北国や山間部からは初霜や初冠雪のニュースが届き始めます。
日中の太陽の光にはまだどこか優しく温かいぬくもりが残っているものの、日暮れはすっかり早くなり、夕方から夜にかけて一気に空気がひんやりと冷え込んできます。木々の葉は鮮やかに赤や黄に色づき、散り落ちた落葉が風に舞う様子は、どこか寂しくも美しい情緒を感じさせてくれます。

2.霜降と和菓子:秋の味覚と素材そのものを楽しむ
霜降の時期には火を恋しく思い、囲炉裏や火鉢を出して冬を迎える準備を行いました。
和菓子においても、見た目の透明感や涼しさを追求した夏の頃から一転して、味わいの深さや温かみ、素材そのもののほっこりとした食感を大切にしたお菓子が店頭の主役となります。
○ 栗蒸し羊羹や栗餡菓子
秋の味覚、「栗」。
霜降の時期になると熟成が進み、より深みのある甘みと豊かな香りを放つようになります。
もっちりとした食感の蒸し羊羹生地に、ゴロゴロと贅沢に栗の甘露煮や渋皮煮を詰め込んだ「栗蒸し羊羹」は、この時期に絶大な人気を誇ります。練り羊羹とは異なる蒸し菓子ならではの優しい口当たりと、栗のホクホクとした食感の組み合わせは、肌寒い秋の日に温かい煎茶やほうじ茶と合わせるのにぴったりです。
当店でも栗蒸し羊羹などを作っていますので、また別の機会でご紹介します。
○さつまいもを使ったお菓子
秋が深まると、さつまいもを使った和菓子も格別の美味しさを見せます。
収穫から甘みを増したこの頃のさつまいもをホクホクと蒸し上げて芋羊羹や芋金ツバは、素朴ながらも素材そのものの温かみを感じさせてくれます。
今年はさつまいもを作ってみました。
〇上生菓子:色づき

○上生菓子:もみじ葉

葉の色合いが黄色や赤色へと変わっていきますね。
おわりに
霜降の時期は、朝晩の寒暖差が激しくなるため、体調を崩しやすい時期でもあります。
だからこそ、一日の終わりや家事・仕事の合間に、温かいお茶を丁寧に淹れて、甘い和菓子とともに心を落ち着かせる「静かな時間」を作ることが大切です。
湯気がふわりと立ち上る湯呑みを両手で包み込み、季節のお菓子を一口味わう。それだけで、身体の芯から緊張がほぐれ、冷えた心が優しく温められていくのを感じられるはずです。
和菓子は、単にお腹を満たすためのものではなく、過ぎ去る秋を慈しみ、これから来る冬を穏やかに迎えるための「心の栄養」でもあります。
「和菓子とひととき」では、これからも二十四節気に合わせて、季節の和菓子と、その背景にある物語をお伝えしていきます。
次回は、「立冬(りっとう)」を深掘りしたいと思います。
私の作るお菓子が食べられるお店は富山県南砺市にある朝山精華堂というお店になります。
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